「はっぴいえんどが好き。」
2015/05/24
「はっぴいえんどが好き。」
彼女はそう言って、姿を消した。
不透明なクモの巣。
薄っぺらくて、哀しくて、捻じ曲がっていて。
君のことは顔も、名前も、姿も形も、知らないけど。
君のことは性別も、住んでる場所も、ポケットに何が入っているかさえ、知らないけど。
君のことは年齢も、好きな食べ物も、誰を愛して誰を憎んでいるかなんて、知らないけど。
僕はTSUTAYAでそいつを借りて、ボロっちいヘッドフォンで聴いたんだ。
すっと、窓に目が移った。
あの娘も、きっと日本のどこかで、この曲を聴いているんだろう。
今、すこしだけ君を理解できた気がする。
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