頭の弱い子だった。
2014/12/15
頭の弱い子だった。
周りに流されやすく、風俗で働いていた。
誰とでも寝た。
パチ屋のトイレはいつも列が出来ていた。
彼女は何度か手首を切った。
手首を切ることで、生きる実感を得た。
床に血がポタポタと垂れていた。
彼女の目は焦点が合っていなかった。
彼女は鼻歌が好きだった。
晴れた日は、近くを散歩して、上機嫌に鼻歌を歌った。
家族のことを想い、涙を浮かべながら鼻歌を歌った。
彼女の笑顔は、この世で一番美しいと、今になって思う。
この世で一番、純粋で、無垢な笑顔だった。
僕は彼女のことが、大嫌いだった。
このサイトは適当人間okutaniが、ふと思いついた言葉を繋げて、遊んで、時に真面目に、自作の詩をつぶやくサイトです。 okutani_t