二月の生暖かい夜

耳鳴りがするから、僕はぐっと顎を低くした
二月の生暖かい夜だった

「嗚呼、溜息ばかり出やがる」

……

磨りガラスさ、ストーブがちらり写り映り
波打つ音を音と噛み締め掻き消して
コウと不幸の騙し合い

夜空は他人、赤の他人さ
もうミテクレも気にしない
ただ気にするのは世間の体
お涙頂戴世間の体……!

手と足、胴体、磨りガラス
わからんわからんお前のことが
からんころんと転がり落ちた
地獄の沙汰すら当てにならん

腐ったミカンはどうすりゃいい?
吐いて叫いて叶えりゃいい?
擦った揉んだで掬えるか?
誰が叶えて、救えんだ?

二月の生暖かい夜はどこへ向かう?

……

そんな夢を見て、1mmも間違っちゃいないと僕は思った

無駄なことばかりのこの世の中で、ホンモノの無駄なんて存在しない

幸福論の中に真実が無いのと同じように