幻なんかじゃない。

君の涙は毒霧に消え、
かすかに雪の薫りが残るだろう。

湿った土に手をつけ、
3歳だったあの頃の自分を探す。

万華鏡から見える世界、
曇りガラスに映った自分、
あくせく働く、人、人、
幻なんかじゃない。

ゆらめく地平線、
乱暴な言葉、
もうすぐ死ぬ、人、人、
幻なんかじゃない。

故郷の吐息を指で撫でてみた。

木々の間に横たわる彼女が、
私のシャツを強く抱いた。