頭の弱い子だった。
周りに流されやすく、風俗で働いていた。

誰とでも寝た。
パチ屋のトイレはいつも列が出来ていた。

彼女は何度か手首を切った。
手首を切ることで、生きる実感を得た。
床に血がポタポタと垂れていた。
彼女の目は焦点が合っていなかった。

彼女は鼻歌が好きだった。

晴れた日は、近くを散歩して、上機嫌に鼻歌を歌った。
家族のことを想い、涙を浮かべながら鼻歌を歌った。

彼女の笑顔は、この世で一番美しいと、今になって思う。
この世で一番、純粋で、無垢な笑顔だった。

僕は彼女のことが、大嫌いだった。